mission

こだま食堂ができること

エシカル消費を取り入れる

~人、自然、しあわせの循環のために~

 

「エシカル消費」「フェアトレード」という言葉を聞いたことがありますか?日本でのわたしたちの生活は、多くの国の生産物に支えられて成り立っています。消費者が、より安くより良い商品を買い求めるのは当然のことですが、その商品がどうやって作られ、自分の手元に来たか一度思いをめぐらしてみてください。

 

 消費者庁のホームページを開くと、「エシカル消費」とは「地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動のこと」*1と説明がなされています。1980年代フロンガスが大気のオゾン層を破壊していることが分かり、現在ではフロンの排出は法律で抑制されています。また、温室効果ガスであるCO2は地球温暖化の原因とされ、わたしたちの生活の中でもCO2抑制のために、値段が少し高くても省エネ家電を購入する、省エネに取り組む企業の商品を購入する、再生可能エネルギーに切り替える、といった様々な取り組みがなされれるに至っています。環境に配慮した省エネ商品はエシカルな商品であり、そういった商品を選びたいと思う消費行動は、エシカル消費といえます。

 

 では、人・社会・地域に配慮したエシカル消費はどうでしょうか?現在、発展途上国では学校に行かず働いている子どもたち、農産物を作っても買い叩かれ、生活を維持する報酬を得ていない人々が存在します。今手元にある商品が、誰かの人権・生活を犠牲にした結果作られたものでいいのでしょうか?「フェアトレード」は、貿易上、相手国の生産者を買い叩かない、きちんと文化的な生活ができる水準の価格で取引しようという動きです。最近の報道で、フィリピンの駐日大使が「困窮するバナナ農家に希望を与えてほしい」と、小売店や日本の消費者に対し値上への理解を求めていました。バナナを作って日本に売っているフィリピンの人々は、今でも文化的な生活ができるほどの収入を得ておらず、公平(フェア)ではない状態なのだと、改めて気づかされました。わたしたちが「フェアトレード」で日本国内に輸入された商品を選ぶなら、人・社会・地域に配慮した消費行動となり、そのエシカル消費がいま求められていると感じています。

 

 こだま食堂は2017年11月に信州・松本にオープンしたスパイスカレーのお店です。環境問題・途上国の人権問題を解決できるほど大きな力はありませんが、フェアトレードの材料を使ったメニューを出す、信州という地域に根ざした地産の材料を使う、リサイクルをする、環境に配慮した製造方法のエシカルな商品を仕入れるといった活動を、こだま食堂を通じて行っています。わたしのこうした活動が形となったスパイスカレーを食べて「おいしい」「幸せ」と感じていただけたら、そこに「しあわせの循環」が広がると考えています。

 

2022年7月 店主 児玉陽子